Diary list

INDIA取材同行雑記-6 インド交通とクラクション

2008 AUG 15

今朝もぷりぷりうるさいクラクションと,ダニのちくちく感+ぷいーんと鬱陶しい蚊のせいでテンション低めの目覚め。

どうやら蚊はバスルームの窓枠にはめられたガラリから自由に出入りしているらしく,日中バスルームの扉を開けっぱにしていたのは失敗だった。撮影機材でトランクぱんぱん,蚊取線香を省いてきたんで今日買ってこよう。

外に響き渡るお祈りらしき歌のような声は,そのエキゾチックさに遠く日本を離れてることを実感,感慨深くて悪くないナと思えてきた。

本日午前はホテルの一室にRamanujanのご親族を招いての取材。

ここに限らずコチラの建物は室内が壁から天井から白一色で,光をまわすには好都合。助かります。反面,背景が単調になんねーよう気を遣うんで痛し痒しではある。

ゲストのタミル訛りの英語が非常に聞き取りづらいと苦戦の佐久間さん。頑張ってぇ〜。

宿泊中のホテル

ホテルでの取材後,ちっこいタクシーにコチラ側3名+Mr.Ravindran,ゲスト,運転手の総勢6名ぎゅうぎゅう詰めでチェンナイ市内の住宅地へ。

本日はIndependence Dayで休日。平日に比べりゃ人も車もクラクションも少ねーべかと思ったがそんなことはなかった。

さて,例のとおりやかましい幹線道路を折れて住宅街へ。牛は自由に歩いてる。牛歩の彼らにも他の交通同様,車やバイクは容赦無しにクラクション。エキゾチックだ。

住宅街の一角,また別のご親族のお宅にお邪魔して取材。

インドのお宅は日本同様,靴を脱いで上がるんですね。ぺたぺた裸足の方が冷たくて気持ち良いのかもしれない。つうか,外で裸足の方もたっくさんいらっしゃいますがね。つうか,靴下+靴履いてんのはビジネスマンぐらい?で,外で裸足なのはさして変わったことでもないようだ。裸足+つっかけ,がスタンダードな印象。

お宅に上がると,ちょっと不安なおもてなし。冷たいイチゴミルク然としたお茶?が振舞われる。大丈夫かしら。

恐る恐る一口試してみたらすんごい甘い。見た目どおりのイチゴミルク?でめちゃくちゃウマいぞ(スパイシーなのばっか食ってる反動かもしれん)。とにかくウマいし,今んとこコッチに来て食あたりはないし…えぇいままよとゴックン。ふと,その辺をふらついてた牛を思い出した。もしやこの乳。

なんだろね

お宅をおいとまして昼食,午後は市内Ramanujanゆかりの地探索とやってホテルへ戻り,夕方は帰る道すがら見つけたショッピングモールへ散策に。

とりあえず蚊取り線香と便所紙と石鹸は調達しておきたい。ホテル前の道路を海に向かってひたすら東へ。

段々とコチラの交通事情も飲み込めてきたが,とにかくどこも車が最優先なのであって,歩道はオマケみたいなもん。あっても人一人か二人程度の幅しかないし,段差はでかいし,横断歩道なんてあんま無いし,あっても青なのはほんの一瞬。そんなわけでか知らないが,人はどこだろうとどんなに交通が激しかろうと自由にどんどん横断してしまう。

ドミノピザだ

あたりが薄暗くなってきた頃,目的のモールへ。

この辺には似つかわしくない異様に明るくて小奇麗な建物の入り口にはセキュリティチェック。大規模な集客施設にはもれなくあるみたいだが,空港のそれとは違ってゆるゆるの印象。人が通過するごとにランプとブザーが鳴ってるようだが,警備員は一向に意に介する様子はなく(単にそう見えただけかもしれない),ピンポンピンポンうるさいゲートをくぐって店内へ。

たくさんの店が集まる建物内は,日本のそれとそう変わらず洗練された印象だが,エスカレーターは上り下りが隣接しておらず,下りがあちこちに分散していて,各フロアをぐるぐる回らざるを得ないしかけだ。店にとってはウマいしかけのようだが,災害時大変そうだ。

最上階の飲食店街で出店の生ジュースを見つけた佐久間さん,いくらかの躊躇を見せながらもドライな潔さでさくっと購入。ウマいウマいと本人はいたって幸せそうだが,やっぱ怖いな。

生活雑貨&食料の店発見,シャンプーにすっかボディソープにすっか迷ったが,後者のほうが応用利きそうな気がしたので,小さめのボトルでボディソープ,LUX125ml入り40ルピー。もう1点23ルピーの何かを買ったが,レシート見ても何だったか思い出せない。便所紙一巻だったかな(←後のスーパーで買ったような気もする)。便所紙は需要がないせいか日本で買うよりずっと高い。

つうかこのモール自体,全体にお高め?富裕層向けなのかもしれない。

ホテルへの帰り,前日も訪れたスーパーで足りないものを買出し。ミネラルウォーターと蚊取り線香と何かつまみ。

蚊取り線香は見た目が赤い他は,大きさ形ともに日本のものと変わりない感じ。とりあえずこれで一つストレスから解放されるな。

それと酒を探したがやっぱ置いてない。唯一アルコール0.5%未満みたいなワイン風のヤツと,シュワっとしたいので炭酸水(だったか?),カシューナッツを購入。なんとなく形にはなったので,楽しい晩酌だと強く思うことにした。

あれ。夕飯なに食ったっけ?

−インド交通とクラクション考察−

あのクラクションのけたたましさがなかなか馴染めないインドの交通だが,どうも日本とはクラクションの意味合いが異なる。

コチラのクラクションに日本の「アブネー,どきやがれコンチクショー」的ニュアンスはほとんど無くて,単に自己の存在の主張,例えば,他の交通に対し「今ここ走ってっから気ぃつけてけろ」とか,「今から追い抜くから君は現状の速度と進行方向を維持せよ」とか,「急激な挙動は控えよ」とかそんな具合である。

交通量が多い上に,ほとんどの車両が車線に関係なく右に左に交錯する混沌とした状況の中,運転者は後ろなんか見てない(サイドミラーが無かったりルームミラーがあさっての方向てのはよくある)ので,自車の前方に対するクラクションはもう必須なんだろう。

動きの緩慢な大型車にいたっては,車両後部に「是非鳴らしてくれ!」みたいなメッセージが書いてある。

少し具体的に書いてみますか。

例えばT字路に突き当たって左折する場合,右方の確認なんかほとんどしてなくて,本線を走る車両が居ようが居まいがお構い無しに停止もせずどんどん入っていっちゃう。日本なら直進車が進行を妨げられたと激怒しそうな場面ながら,コチラでは直進優先なんて常識は無いみたい。

一見非常に危険な状況にも思えるが,なんでこんな無秩序が平気かと言うと,基本は全て「じわり」な動き。

合流する側がじわっと本線に進入し,本線を走行中の車がクラクションを鳴らしながらじわっと避ける,或いは減速する。本線が広くて横に何台も並んでる場合は,それぞれにクラクションを鳴らしながらじわりと全体が進路を変え,或いは合流していく。

歩行者の横断についてもルールは一緒。じわっと渡り始めると,車がクラクションを鳴らしながらじわっと避けていく。まさにそのクラクションはその対象に対して「その速度と方向を維持せよ」であって,クラクションにビビッてぱたと止まったり逆に駆け出したりすれば,かえって危険極まりない。

実際Indianはクラクションに対して見向きもしないが急激な挙動もしない。すべては視認している側がクラクションを鳴らしてお互いにじわっと周りの交通に合わせていく,に尽きる。

一見無秩序なインドの交通にあって,クラクションこそが唯一の秩序なんだと思うよ。TRAFFIC POLICEもプップカ鳴らしまくりだし。

つづく。